発達障害と診断された日

 

この日はじめて院長室に通されました。
「たかこさんね、確かにADHDの可能性が高いです」
院長はそう言うと、テストの結果を私に見せてくれました。


発達障害は脳の発達が凸凹なのです。
テストでは私はパズルは散々でしたし(出来ない!と言って癇癪を起こしそうになったり)、やはり私の脳は凸凹の線を描いていたのです。


強く強く覚えているのはIQ91という数字です。
IQは100が中央値ですから、私は人よりIQが劣っているのだなぁと思いました。


コンサータストラテラという薬があるんだけれど飲みますか?」
院長は私に尋ねました。


「飲まないとどうなるんですか」
私の目的は「発達障害かどうかを知ること」であり、
発達障害を治すこと」ではなかったのです。
ですから、目的は達成できたとばかりにすっきりとした気持ちで聞いたことは確かです。


もちろん、コンサータストラテラという薬の名前はインターネットで調べた際に何度も見かけた薬の名前です。


「飲まない人もいますね。認知治療をする人、周囲に協力を求める人」
「……コンサータを、飲みます」


コンサータは服薬後12時間だけADHDの症状を抑えてくれます。
対してストラテラは毎日服薬する必要があり、じっくりとその症状が抑えられるお薬です。


私にはストラテラは向いていない、毎日欠かさず服薬することなどできない、と思いコンサータを選びました。


やった!やった!!
これでなにか変わるかな、私も健常者みたいになれるかな、とそんな希望でいっぱいでした。